男と女 洗い方が違ってた

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人が無意識に行っていることの意味を問いかけても、なかなか答えは返ってきません。しかし、
行動の観察によって、その意味を発見することができるのです。

 

行動を観察することによって、重要なことが発見でき、
その発見によって、40年以上もの間、売れ続ける商品になった!
今日はそんなお話をします。

 

私の師匠梅澤伸嘉がサンスターに在籍していた時の話です。
1960年代の話ですので、かなりの昔になりますが、今でも通用する、いやヒット商品作りが難しい今だからこそ、知っていただきたい話だと思います。

 

当時の梅澤は、新商品のヒント探しのために、男女の髪を洗う行動について観察をしていました。

 

そこで、ある発見をしました。

女性は髪そのものを洗っているのに対し、男性は頭皮を洗っているのです。
女性は髪自体をソフトに洗っていますが、男性は頭皮をゴシゴシと洗っているのです。

 

「その違いの意味は何か?」

 

当時の男性が髪を洗う際には、女性用のシャンプーか石鹸を使うしか、方法がなかったのです。
それでは充たされない何かがあるのではないか?と考えました。

 

仮説が浮かびました。

 

男性は、頭も気分もスッキリさせたいのではないか?
もしそうであれば、そのニーズに応える男性専用シャンプーを開発したらよいのではないか?

 

仮説をもとに商品の案が用意され、グループインタビューによって受容性を探りました。

 

結果、対象者の方々から、とても強い受容反応が示されたのです。
その様子を見ていた当時の事業部長は、「これはイケる!」「早く売り出そう!」と決断。

 

「サンスター トニックシャンプー」
メントール入りの全く新しいシャンプーの誕生でした。

1968年に発売された「サンスター トニックシャンプー」は、新たに男性専用のシャンプー市場を創り出しました。
今日まで同市場のNo.1を続けています。

 

人が無意識に行っていることの意味を問いかけても、なかなか答えは返ってきません。
でも、行動の観察によって、発見することができるのです。

 

強いニーズは行動に表れます。
人の行動の中にも成功商品のヒントが隠されています。

 

手順を整理しますと、以下のようになります。

 

1.人々の無意識行動を観察。

 

2.行動の目的を推測する細かな行動も見落とさないようにして、なぜそうしているかを思いめぐらす。

 

3.行動の目的をニーズ表現(〇〇したい)にしてみる。

 

4.そのニーズを充足する手段がないかどうか検討する。

 

5.未充足ニーズと目されるならば、コンセプト案を作ってみる。

 

6.想定ターゲットを対象に、グループインタビューでコンセプト案の受容性を探索する。


GDI(グループダイナミックインタビュー)をすることが重要。

 

7.前記6.の結果から、必要に応じてコンセプト案修正。
 ⇒完成度を高める。

 

行動からニーズを読み取り、成功商品を作ってみませんか?

   

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