商品を発売する前に、
「その商品が発売された後に、どのような運命をたどるか」
が、分かったらいいですよね?
実はそれが分かるのです。
下の図をご覧ください。
「CP診断チャート」と呼ぶものです。
タテ軸が商品コンセプトの力、
ヨコ軸が商品パフォーマンスの力です。
つまり、
タテ軸が「買う前に欲しいと思わせる力」と
ヨコ軸が「買った後、買って良かったと思わせる力」です。
そして、象限毎では
タテ軸が売り上げ、
ヨコ軸が時間の経過です。
自社の商品が
第一象限にあれば、発売当初から順調に売れ続けていきます(成功)。
第二象限は、買う前に欲しいと思わせられても、買った後、良かったと思わせる力が弱いという意味で、発売当初は売れたとしても、すぐに売り上げは低下します(線香花火)。期待外れという評価になります。
第三象限は論外ですね(空振り)。
第四象限は、発売当初は売れなくても、市場に長く存在していれば次第に売れ行きが上昇するというパターンです(スロースタート)。でも、発売してすぐに売れないと、売り場からカットされてしまうことも多いですね。
商品コンセプト力を強めれば、発売当初から売れるようになります。
このように、商品コンセプトと商品パフォーマンスの両方の力を発売する前に知ることができれば、発売後の売上パターンが分かり、改良の方向性も知ることができるのです。
ただし、この予測を的中させるためには、条件や留意点があります。
主には下記のようなことです。
1.商品のターゲットとなるお客様を対象にした調査をすること。
2.その調査は、まずはきちんとした定性調査を行うこと。
(*定性調査のことをあまりご存じない方は、お客様を対象にした専門的なインタビュー調査をすること、というようにお考えください。)
3.商品コンセプトがしっかりと定まっていること。
4.商品パフォーマンスが修正可能な段階で行うこと。
1~4について補足をします。
1.ターゲットに想定している人達と、そうでない人々とでは、とても大きな隔たりがあります。
同じような調査をしても、対象者が変わると、反応が大きく異なります。
ターゲットとなるお客様を対象にすることによって、このCP診断チャートによる予測が可能になるのです。
2.きちんとした定性調査をすれば、商品コンセプトや商品パフォーマンスに問題があった時に、その原因が明確になります。
そのため、どこをどのように修正すれば、より売れるようになるかが分かります。
定量調査では、「何パーセントの人々がこう思った」ということが分かっても、それをもたらしている元の原因までは分かりません。
3.前回のメルマガでご紹介した、商品コンセプトの公式「C=I+B」に沿って、きちんと商品コンセプトが作られていることが前提になります。
4.発売前の調査といっても、製品として完成し修正が不可能な状態では意味がありません。
商品コンセプトは定まっていて、商品パフォーマンス(≒製品のハード面)としては、まだ修正が可能な段階で調査を行うべきです。
商品コンセプトに問題があれば、コンセプトの修正を行うべきです。
ターゲットの見直しが必要になることもあります。
以上のようなことをきちんと行えば、
商品を発売する前に、その商品の運命を知ることでき、しかも、
売れるようにするためには、どのように改善していけばよいか
がわかるのです。
このメルマガ読者の方々の中に、今まさに商品を開発中の方がおられましたら、どうか、このCP診断チャートを使ってチェックをしてみてください。
このCP診断チャートは、
既に発売した商品についても使えます。
発売したけれど、思うように売り上げが上がらない商品がありましたら、このチャートを使ってその原因と対策を検討してみてください。